世論観測所

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麻生発言「産まないのが問題」ではない。うちが3人目を諦めた訳


麻生太郎氏、社会保障費増めぐり「産まないのが問題」と発言 - ライブドアニュース

「産まない」じゃなくて「産めない」だろ。その「産めない環境」にしちゃってるのは政治な訳で、それを産まないのが問題だなんて個人の責任に帰結するような事を言っちゃうのは政治家として一番やっちゃいけない事だろうと思う。

妊娠・子育てに対する社会の意識でも述べたように、問題なのは妊娠・子育てに対する社会の意識や、埋めたくても躊躇してしまう現在の環境にある。

うちが3人目を諦めた訳

うちは共働きで私も妻もフルタイムで働いている。子供は2人いるが、3人目が欲しいかと言われれば「欲しい」と答える。しかし諸々の事情で3人目は諦めた。

一番の理由はお金だ。幸い二人で働いているので平均以上の収入はあるが、それでも3人目となるとお金の面で「断念」せざるを得ない。

なんとかカツカツで切り詰めてやっていけば「3人目」を産んだとしても育てて行く事はできるだろう。しかし子供にひもじい思いをさせたり、私たち夫婦も「お金」が足りなくて子供に満足な教育を受けさせられない事は本意ではない。

なにより、たまに外食したり旅行にいったり、普通に生活を楽しむための余裕が欲しい。そう考えた時に3人目の子供を産むという選択肢は「無い」という結論に至った。

3人目を諦める→産むへ変化させるのは難しい

私たちのような夫婦は他にも沢山いると思う。自分たちの生活水準を下げずに子供2人で暮らして行く方が「ベター」だと判断したわけだ。それを覆すには行政側がよっぽど3人目に手厚い施策をしないと無理であろう。

ちなみに私が済んでいる自治体は3人目は無料保育化にする流れではあるが、未だに予算の関係などで実現できていない。

政治が果たす役割は大きい

子供が少なくなり、老齢人口が増えれば麻生大臣の言うように「負担」が増える。しかし、それを個々の「産む・産まない」の選択に原因を求めるのはお門違いというものだ。安倍政権が女性の社会進出を後押しする」のであれば、今以上に「ママがフルタイムで働いても子供3人育てていける」ような環境を整備する必要があるだろう。それが出生率アップ、ひいては長期的な日本経済復活の礎となる。