ドメイン投票方式はアリかもしれない
ドメイン投票方式というのをご存知だろうか?私は最近になるまで知らなかったのだが、案外この投票方法は現在の日本の抱える諸問題を解決できるのではないかと思う。
先日、最高裁で昨年の参院選挙も「違憲状態」という判決が出た。一票に対する重みが選挙区によって違うという状態は憲法が保証する「投票価値の平等」に反するということである。
もちろんこれは由々しき問題ではあるが、それ以上に問題なのが若者の投票率の低下と老齢人口の政治圧力である。
総じて年代が上がるにしたがって投票率も上がっている。20代の投票率は一番低い。ただでさえ人口の比率的にも老齢人口が多いのに、そのうえ投票率まで高くては政治家も「年寄りの票田に期待」して年寄り向けの政策に重点を置こうとするだろう。逆に年寄りに不人気な政策をすれば大きな批判を浴び、後期高齢者医療制度のように見直しを余儀なくされる。
持続可能な日本の社会を作っていくには出生率を上げ、世代間格差を少なくしていく必要がある。そのためには今以上に若者の就業環境を改善させ、若者の声をもっと政治に反映させなくてはならない。しかし、今の人口構成と選挙方法ではそれは不可能でありたとえ一人ひとりのお年寄りは「私は孫世代が幸せにくらして欲しいんじゃ」と思っていたとしても、「世代」という集団では老齢人口の政治圧力が高まる。そこで考えだされたのがドメイン投票方式だ。
選挙による世代間の力関係を補正するドメイン投票
ドメイン投票法とは、子どもにも選挙権を付与し、親が子どもの代理として投票する仕組みであり、全人口で一定の割合を占める20歳未満に選挙権がない問題の打開策として提唱されたものである。
「親が子どもの代理として投票する」というのが最大のポイントだ。これによって選挙時の50代以上の比率を大幅に下げる事ができるという試算も出ている。
残念ながら現在世界のどの国でもドメイン投票を導入した例は存在しない。しかしドイツやハンガリーでは実際にドメイン投票方式を導入することを検討したことがあるそうだ。(実現には至っていない)
今すぐに実現することは無謀だろうが、一つの選択肢として「ドメイン投票方式」は十分に検討するべき価値があるのではないだろうか。